生き埋めにされた種子

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別の世界

童歌の全文は、思わぬ場所で見つかった。

鉄城四中の内部フォーラムは生徒が自由に投稿できる匿名掲示板で、普段は試験の不満や恋愛相談で賑わっていた。しかしある夜、管理者に通知が届いた。「怪文書の削除依頼」だった。

投稿されたのは三日前。ユーザー名「lulu305」。

内容はこうだった。

「鉄城に伝わる古い童歌があります。子供の頃に祖母から聞いたものです。

一のあばた首吊りに、二のあばたそれを見て、三のあばた薬を買い、四のあばた薬を煎じ、五のあばた飲ませてやり、六のあばた死んでやり、七のあばた棺桶買い、八のあばた入れてやり、九のあばた穴掘って、十のあばた埋めてやる。

最後に全部のあばたが死んで終わりです。鉄城が寂しくなりましたね、また書きます」

管理者が通報を受けて確認した時、投稿にはすでに五百近いコメントがついていた。ほとんどが「怖い」「削除してほしい」だった。しかし一部のコメントが管理者の注意を引いた。「これ、今の先生たちのことじゃないか」「一から四まではもう死んだ先生と同じ順番だ」

管理者はすぐに投稿を削除し、「lulu305」のアカウントを停止した。そして警察に通報した。

吴宪は「lulu305」の正体を調べた。アカウントの登録メールアドレスを辿ると、使用者は特定の端末からしかログインしていなかった。IPアドレスを追うと、学校の教職員用ネットワークにつながった端末だった。

「lulu305」は教師だった。

「lu」という音節が重なる「lulu」、そして「305」は教師の職員番号だった。

三〇五番の教師は……黄璐だった。

しかし黄璐はすでに死んでいた。

吴宪は黄璐がいつこの投稿をしたかを確認した。投稿の時刻は黄璐が死ぬ二日前だった。黄璐は生きていた頃、この童歌の全文を知っていて、フォーラムに投稿していた。なぜか。警告として?それとも誰かへのメッセージか?

童歌の全文がわかった。十人のあばた。十人の死。それは四年四組の十人の任課教師のことではないのか。

一のあばた(馬大花)首吊り、二のあばた(黄璐)目撃して死に、三のあばた(肖津)薬を買い、四のあばた薬を煎じ……

四番目はまだ死んでいない。

その翌日、四年四組の化学の授業中に事件が起きた。

王秦は教壇に立って反応式を板書していた。教室の後ろで生徒が黙って席に座っていた。何も異常は見えなかった。

突然、前列から三番目の席に座っていた生徒が叫んだ。「先生の後ろ!」

王秦が振り向いた瞬間、透明な液体が王秦の顔と肩に降りかかった。

硫酸だった。

王秦は絶叫した。皮膚が溶け始め、煙が上がった。生徒が逃げ惑う中、王秦はのたうち回った。硫酸は教室の保管棚に置いてあった実験用のものだった。それを誰かが、授業中に王秦の背後から投げつけた。

しかし廊下の警備にいた警察は何も見ていなかった。犯人は教室の中から王秦に硫酸を浴びせて消えた。

教室の生徒は全員が「見ていない」と言った。