漆黒の校内
回囡は校長室のドアを叩いた。陳代鹏は入れと言った。回囡は入り、古晴の日記の最後のページで読んだことを話した。古晴が肖津先生から書類の入った封筒を受け取ったこと、その後二人で陳校長のところへ持ってきたこと、そして「それから先は書けない」という言葉で日記が終わっていること。
陳代鹏は回囡の話を最後まで黙って聞いた。口元の表情は変わらなかった。
「その書類には何が書いてあったの?」と回囡は聞いた。
「覚えていない」と陳代鹏は答えた。
「古晴が死んだ原因に関係がありますか?」
「古晴は自殺だ。精神的に不安定だった、転校してきてクラスになじめなかった。記録処分が彼女にとって大きな打撃だったのだろう」
「それが本当のことですか?」
陳代鹏はここで初めて回囡をじっと見た。「先生、あなたは何を疑っているんですか。私は二十年以上この学校を育ててきた。この学校の生徒に何かあれば、私が一番悲しむ。古晴のことも、馬大花のことも、黄璐のことも、全部私には辛い」
回囡は立ち上がって「失礼します」と言い、校長室を出た。廊下を歩きながら、校長の言葉の一つ一つを振り返った。全部本当のことかもしれない。全部嘘かもしれない。
その夜、吴宪は回囡を呼んで話を聞いた。回囡は古晴の日記のことを全て話した。肖津先生が古晴に封筒を渡したこと、陳校長の反応のこと。吴宪は何も書き留めなかったが、全部を細かく覚えていた。
学校での聴取が終わり、吴宪は部下に言った。「今夜、学校の周りを張れ。教師たちも帰宅させるな」
深夜、校内に灯りが灯った。四年四組の教室だった。
誰もいないはずの教室に明かりがあった。廊下の窓から見える電気の光は、ゆらゆらと揺れていた。ろうそくの光だった。
吴宪が報告を受けて駆けつけた時、四年四組の前には既に警察が数人集まっていた。ドアを開けると、中は誰もいなかった。教室の前方、ちょうど黒板の正面の床にろうそくが十本立てられ、燃えていた。ろうそくの周りには紙銭が散らばっていた。そして黒板には文字が書かれていた。
「大麻子上吊,二麻子瞧。三麻子买药,四麻子熬。五麻子……」
文章はここで途切れていた。「五麻子」の後に何が続くかは書かれていなかった。
吴宪は黙って黒板を見た。何かが欠けている。四人目のあばたが薬を煎じた後、五人目のあばたはどうなるのか。
その夜、校内に残った教師たちは誰も眠れなかった。物理グループの窓から廊下を見張っていた翟佳が、深夜二時に異変を報告した。「四年四組から誰かが出てきた。今グラウンドを横切っている」
グラウンドへ出た警察が確認したが、何も見つからなかった。
次の朝、物理の肖津の姿が学校から消えていた。部屋を確認すると、上着と荷物はそのままで、人だけがいなかった。
その日の夜、女子トイレで肖津の遺体が発見された。