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ヒューゴは町の住民十人ほどに連絡を取り、ブラウン夫人とともに保護区の体育館へ向かうよう頼んだ。全員が集合したら、午後からしらみつぶしの捜索を始める手はずだった。電話を切ったちょうどそのとき、ケビンが不安そうな顔で警察署の狭苦しい事務室に入ってきた。ヒューゴに挨拶をすると、彼はまっすぐ保安官のデスクへ向かった。
「よお、ケビン、どうした?」保安官は無理やり笑みを浮かべた。「ジョーイ・ブラウン捜しを手伝いに来たのか?」
「老フランツの件を聞いたんです」
「ほう、噂は早いな」
「こんな小さな町じゃ、誰にも隠し事なんてできませんよ」
「それで、何の用だ?」
ケビンは昨夜、川沿いの道で遭遇した出来事を保安官に語った。水濡れの跡のことも、水の中に消えていった細長い何かのことも。話し終えたケビンはいくらか肩の荷が下りたような様子だったが、保安官の表情は険しくなっていった。
「二百キロを超えるかもしれない大ワニか……」保安官は手を口元に当てて考え込んだ。
「信じようが信じまいが、この町には川沿いに住んでる人間が大勢いることぐらいは分かってるでしょう。うちも含めて」
「うちもそうだ。だが、行方不明者は今のところ二人と分かっているだけだ。お前は本当に大きなワニを見たのかもしれない。だが問題は、彼らがワニに食われたという証拠が何もないってことだ。今のところ、彼らはあくまで行方不明なんだよ」
「じゃあ俺はどうすればいいんです?ワニを見つけ出せとでも?」
保安官は頷いた。「理屈から言えば、それでこそ住民に避難を呼びかける十分な根拠ができる。町にパニックを引き起こしたくはないんでな」
ケビンは信じられないという顔で保安官を見つめた。髪をかきむしり、何を言えばいいのか分からなかった。
「ケビン、他に用がないなら、俺はブラウン夫人とフランツ家の手伝いに行く。それじゃあな」
保安官はカウボーイハットをかぶり、でっぷりとした腹を突き出すようにして警察署を出ていった。あとにはその場に呆然と立ち尽くすケビンと、デスクの前のヒューゴが残された。
ケビンは振り返ってヒューゴを見た。何かを期待するような目つきだった。
ヒューゴは鍵を手に取り、長いため息をついた。「俺が顔見知りの家を何軒か回って、お前が見たものを話しに付き合ってやるよ。俺にできるのはそれくらいだ」
「ありがとう、ヒューゴ。何もしないよりはましだ」